MURATA. Blog

No.03     音楽ファイルの未来 / 取り急ぎDJの方々へ御進言

WAV.jpg mp3.jpg AIFF.jpg AAC.jpg


今回は僕の ごくごく勝手な「未来予想図」を描きます。

最近のいろいろ を見渡した時に、ちょっと気になっている事について記しておきます。
これは、もしかしたら本当にそうなるかもしれないし、
はたまた 後々自分で読み返すのも恥ずかしくなるようなトンチンカンな事かもしれません。
 
ですが、少しでも「その可能性がある」以上、しがない いちエンジニャーとしては
皆さんの目に触れるところに一応書いておかなきゃ と思うので
とくに音楽好きの方は お暇だったらぜひ読んでみてください。


最近は「音楽ファイル」・「オーディオファイル」という名称もだいぶ浸透しましたよね。
要するに音楽を「データファイル」というカタチで扱うわけです。

その中でも特に「音楽を聞く」ときには
「mp3」や「AAC」、「WMA」などという、いわゆる「圧縮オーディオファイル」が大活躍するわけです。


今回はそれら「圧縮オーディオファイル」の、音の良し悪しなどの話ではなく
そもそも
「なんで圧縮すんの?」   っていうお話です。


いきなり答えを言っちゃうとそれは
「扱いやすくするため」 です。
「パソコンをはじめとする 今、世の中にある機器で扱いやすくするため」 です。

ちょっと視点を変えると、
「現状の様々な機器の性能上、便利に 手軽に 音楽を扱うためには
音楽ファイルをデータ的に圧縮して 「軽いデータ」 にする必要がある」
  という事なんです。

電子機器の性能には、その時々においての「性能の限界」がある。
日々進化を遂げてはいますが、現状で「音楽ファイル」を扱うには、
圧縮しないとちょっとデータが大きすぎて鬱陶しいので、
バレないように、ちょっぴり音質を犠牲にして、はしょって、
データ的に軽くなるように「圧縮」するのです。


さて、ここでちょっと考えます。


「だったら、そこらへんの機器の性能が上がれば 圧縮しなくていいんじゃね?」


これこそが、今回の重要なポイント・未来予想 です。
これから先、未来の話です。僕にも、この先 世の中がどうなるかなんて さっぱりわかりません。


でも、、、

もしかしたら もしかしたら


身の回りの「電子機器」が今と比べて バカみたいに進化している未来があるとしたら、、、



そこでは「圧縮した音楽ファイル」で音楽を聞いていると思いますか?
一生懸命バレないように「はしょった」音質で、音楽を聞いていると思いますか?

この先、何がどうなるか そんな事はわからないんです 人間は。
未来の事なんかわかりません。
 
でも僕は なんとなく 
 
「圧縮オーディオファイルはいずれ無くなる、一過性のフォーマットである」
 
そんな気がするのです。  (そして、ちょびっとそれを望んでもいる気がする。)


いや、わかんないですよ?
もしかしたら、「mp3」や「AAC」や「WMA」のまま、ただ曲数が増えていくだけかもしれません。
こんな事を書くと怒られるかもしれませんが、「CD以上」のハイレゾ規格の普及率を見れば明白なように、
「もうこれでいいや 問題ねーし」  といって「圧縮オーディオファイル」のままいくかもしれません。

でも、、、、でもですよ? 同じぐらいもしかしたら、

 
「元でいいのに、いちいち圧縮するの、、、めんどくせー!!」 

 
という未来もあるかもしれないんです。
 
あっという間に、圧縮・音楽ファイルだらけになったように、
あっという間に、元に戻るかもしれないんです。
 
パソコンが、携帯プレイヤーが、携帯電話が、今より格段に進化してパワフルになり、
別にデータ的に小さくする必要が無いのに、わざわざ音を劣化させたりするでしょうか?

最近、某携帯電話会社のCMで「着うたが高音質に!」みたいのをやってますが、
それを見るたび僕は
「お?やっぱりそっち?(ニヤリ) やっぱそっち系?(ニヤリ)」 と思うわけです。
やってる方の思惑がどうであれ、やはりそういう流れは嬉しいわけです。



結局、何が言いたいか というと、 要するにですね、、、

みなさん 
CDは手元に残しておいた方がいいかもしれませんよ 
レコードは手元に残しておいておいた方がいいかもしれませんよ
レコードから録音して圧縮してた方は、圧縮する前のオリジナルのファイルもとっておいた方がいいかもよ

「ま、わかんないけどね 一応 さ。」


という事です。

で、実際 世の中をちょいと見渡すと、その
「電子機器の進化の兆し」 が ちょいちょい いや、バンバン見て取れるのです。

僕がいつもチェックしてる、超老舗、素晴らしいブログ「GIGAZINE」さんから
関係ありそうな記事を抜粋させていただくと、例えば、、、

転送速度はHDDの20倍、今までの常識を覆す速度のSSDが登場へ - GIGAZINE
 
SSDの書き込み速度を最大100倍にまで高速化して寿命も延ばす新技術「ExtremeFFS」 - GIGAZINE
 
サンディスクが圧倒的な高速性と長寿命を実現した安価なSSDを発表、古いPCでも利用可能に - GIGAZINE
 
これがSSDの実力、古いパソコンをSSDに換装すると爆速で起動可能に - GIGAZINE
 
 
はたまた、こんなの
IBM、記録容量100倍で超低消費電力の低コストな記録技術「racetrack」を実現へ - GIGAZINE
 
とか、こんなの
記録容量は400GB、パイオニアがBlu-rayと互換性を持つ光ディスクを開発 - GIGAZINE
 
とか
10倍高速な「USB3.0」の仕様が正式決定、登場時期も明らかに - GIGAZINE
(これに関しては、その後「周囲のボトルネックが多すぎてそこまでの性能出し切れないよ現状は」と出てましたが)
 
とか
転送速度560Mbps、かざすだけで大容量ファイルを高速転送できる「TransferJet」が実用化へ - GIGAZINE
 
とか
そして極めつけ、ワクワクタイム!
あらゆるものを変える可能性のある知っておくべき15個の最新テクノロジー - GIGAZINE
 
 
 
  
「いや、よくわかんねーし」 という方のために、上の記事たちを要約するとつまり、、、

パソコン「おれら、まだまだ伸びる余地 バリバリあるっすからよろしくぅっ!しかもわりとすぐにブッ込むっすからよろしくぅっ!」
って感じですかね、だいたい。

ほんとね、すごいですよ。 まじすげーっす。
やっぱり今は21世紀だった! という感じです。 
この勢いだと、あと100年後には ドラえもん、できるかもよ、ほんとに。

というわけで、おそらく 僕も含め大抵の人が思っている以上に、
科学の進歩は いまだに超ハイスピード。 「進歩」じゃなく「進走」という感じ。もう全力ダッシュなんです


そうなると、、、元のお話に戻しますが、
今は、特に「音」に関する技術は、まだまだ「過渡期」なのではないか と思うわけです。
僕は、「圧縮オーディオファイル」というものは、
その過渡期に、「とりあえず産まれた」ものであり、「とりあえずの応急処置」 だと思うのです。

想像してみてください。

ある日急に、「iPodに、膨大な量のWAVやAIFFを入れても、ぶっちゃけ余裕になりました!」
となったらどうしますか?

WAVやAIFFのままで膨大な数の音楽をパソコンに保存していても、容量的にも、手軽さ的にも
今で言うmp3やAACと同じように全然余裕で扱えるとしたら、どっちを選びますか?

パソコンを使ってDJをしていたら、
「あの人、いまだにmp3でやってる~。いまどき、圧縮なんかしなくても全然余裕なのにねー。しかも音、悪くな~い?」
みたいな事、言われたらどうしますか? 


その時、
「あ、元のCD 売っちゃったからmp3しか残ってないや、、、」とか (mp3は元には戻せません)
「もういらないと思ってレコードで大根、おろしちゃった、、、」  (溝が大根だらけでは再生できません)
    
となったら、また大変なわけです。 買いなおしたりしなくちゃいけないかもしれません。
(まあ、それはそれでいいのかな? アーティストさんが潤うかもしれないですもんねw)
だから、特に理由も無くオリジナルのメディアを手放そうとしている人がもしいたら、
ちょっと待ってみて欲しいのです。


「おれはmp3を愛してしまったのであった、、、」 と貫くのは それはそれでカッコイイのかもしれませんが、
作り手側からすると、やはり みんなにはできる限り良い状態で聞いて欲しい。 
それは作り手なら誰でもそうだと思います。

先ほど予想したような「未来」が訪れる可能性がゼロでは無い以上、
それをどこか頭の片隅に置いておいて欲しい
そんなことを考える、今日この頃です。
 
 
 
 
      糸冬
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   制作・著作 NHK
 
 
 
 

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